原発ゼロか維持か推進かを検討するファクトや意見をまとめておく場所
以下はきわめて個人的なメモであり、客観的な事実と他者や自分の意見がごちゃまぜになっているため、ご了承ください。また随時アップデートします。
追加して未整理のリンク
- 原発依存の代償は再値上げの構図、電力6社が13年度赤字 (2014/5/1)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0DG1KR20140430 - 「原発の発電コストは火力上回る」試算 (2014/6/29)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140629/k10015589031000.html - いろいろ
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6121608
現状 - 原発50基すべて停止中→コスト増→電気代UP→電力10社合計で黒字転換し一息ついた状態
- 2012年度の電力業界の損失は約1.6兆円。
- 原因は原発停止(国内50基すべてが停止中)による石油購入費等。
- 1.6兆円は銀行等から借り入れて賄っているが、ずっとそのまま赤字垂れ流しというわけにはいかないので、電気代アップか原発再稼働が必要。
- 実際2012年後半には値上げが実施されており、2013年度上半期(4-9月)には電力10社全体で経常黒字を達成。東電も黒字→ http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXNASDD310IN_31102013TJ0000
- どのくらいの値上げ? → http://www.garbagenews.net/archives/1190941.html
原発のメリット、必要とされる理由
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ちょっと頑張れば原発ゼロでも大丈夫な気もしてくるが、それでも世界の多くの国で原発が必要だとされているし、日本でも原発再稼働を求める声は多い。
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原発のメリットはざっくり3つ。低コストとエコ。それから電力源を多様化することによるリスクヘッジ効果。火力は安定的な石油供給に不安があり、水力だけでは足りない中で、有力な電力源は複数あったほうが望ましいということ。
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日本の場合、原発の輸出による産業面でのメリットも無視できない。
- 新興国では急増する電力需要に応え経済発展を維持加速するため、また、発展にともない求められる国際的な環境基準を達成するため、原発ニーズが非常に高い。福島の事故以降、新興国でも先進国と同様、反原発の世論は高まったようだが、このような事情から原発建設は当面推進されるものと考えられる。
世界の原発メーカーと日本の原発輸出について
- 日本は世界の原発3大グループすべてを抱えており、原発を輸出する立場にある
- 東芝(米ウェスティングハウスを買収)
- 日立+米GE(合弁会社で事業展開)
- 三菱重工+仏アレヴァ(共同出資でアトメアを設立) - その他
- 韓国・斗山重工
- ロシア・アトムエネルゴプロム(国営)
- 中国・世界最多の建設中、計画中案件を自国内に抱えており、将来的には中国メーカーがアジア・アフリカの新興国原発市場で有力となるであろうと予測する記事(2010年の記事)→ http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD2604J_W0A420C1000000/ - すなわち世界各国が原発をどうするかという問題は、日本メーカーが原発を輸出するかどうかとも密接に関連する問題でもある。
- 日米仏メーカーが先進国の原発市場で優位に立っているといっても、多くの先進国では新たな原発建設には慎重であり、今後の原発市場のメインステージは新興国となる。新興国では韓国、ロシアのメーカーも一定の存在感を見せており、ここに中国メーカーも参入してくる。
- この新興国原発市場をとりにいくか否かという判断は多分に政治的、外交的な問題を含む。他国は国策として原発輸出に取り組んでおり、日本でも政官民一体となったセールス活動が必須。現在のところ安倍内閣は原発輸出に積極的。
原発のコスト、火力発電のコスト
- 東電全体(原発以外も含む)では下図11「電力供給コストの推移」(出展:上述の東電pdf)を見ると、燃料費の推移は次のとおり → 2000年以降原油価格は上昇しており、2000年に0.7兆円だったのが2010年には1.5兆円、原発事故が発生した2011年が2.3兆円、2012年2.8兆円と推移した。2013年は原油価格が上昇しているためさらに増えるものと思われる。
- 安い(から原発賛成又は当面は仕方なく賛成)という人と、実はそれほど安くない(から原発にこだわらなくても)という人がいる。小泉氏の脱原発発言とそれに対する池田信夫の反論 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39119
- 小泉氏は政治的に動いているだけだとする山崎元の意見 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37448?page=6
世界の主な国の原発政策
ところで福島原発の賠償金はどうなってるの?
日本の原発メーカーのいける原発事業の位置づけ
- 東芝は2006年の米ウェスチングハウス買収により世界最大の原子炉メーカーとなった。以降、世界トップシェア(を争う)原発とNANDフラッシュを2本柱として選択と集中を進めている。
- 2013年度連結売上高5.8兆の中で原発事業のみの売り上げは不明だが、東芝が目標を1兆円としており震災前には2014年達成見込みと報じられたことなどから、0.6〜0.8兆円ほどか?→10〜14%
- 震災前、原発事業の売上目標は1兆円で14年3月期に達成の見通しだった http://diamond.jp/articles/-/11345?page=2
- 震災後、原発事業はペースダウン。1兆円目標は2018年度へ後送りとなった http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130810-00000069-economic-bus_all
- 連結売上高は2013年度で5.8兆円。その他の事業の売上比率は、原発含む社会インフラで2.5兆(41%)、デジタル家電1.4兆(23%)、電子デバイス1.3兆(21%、主に世界シェアトップをサムソンと争うNANDフラッシュ)、白物家電0.6兆(10%)その他0.3兆(5%)。※合計が6兆を超えるのは「セグメント間の内部売上高消去4,341億円含む」ためか? http://www.toshiba.co.jp/csr/jp/policy/business.htm
- ウィキペディアの東芝の記事。各事業の概要など http://ja.wikipedia.org/wiki/東芝
- 震災直後の東洋経済の記事。これによると東芝の原発事業の売上高を5〜6000億円と見積もり、連結売上高に占める割合を5〜6%としている(但しこれだと連結で10兆円になるのはなにかの間違い?)。ちなみに日立の原発事業は2000億円で売上比率は2%強 http://toyokeizai.net/articles/-/6457